あらすじ

慧が飲みすぎたと聞いて、胃薬を持って迎えに行った私は、そこで成瀬真梨香と指を絡め合って座る彼を見つけた。 私に気づいても、慧は真梨香の手を離さなかった。 「ずっと言わなきゃとは思ってた。俺、真梨香と付き合ってる」 言葉が出なかった。 「悪いのは俺だ。真梨香には何もしないでくれ」 慧はわずかに間を置いた。 「離婚のことは、弁護士を通して話そう」 否定されることも、言い訳されることも覚悟していた。一時の迷いだったと言われるかもしれないとも思っていた。 けれど、こんなに静かに認められるとは思わなかった。 その後、慧は自分で車を運転し、真梨香を空港まで送る途中で事故に遭った。 目を覚ました慧は、ここ十年ほどのことを忘れていた。 彼の記憶は、十年前で止まっていた。 まだ、私を誰よりも愛していた頃だった。

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小説を読もう2026/09/18
  • 現在の作品夫は愛人をかばって事故に遭い、記憶を失った。けれど、彼の記憶は、私をいちばん愛していたあの年で止まっていた