あらすじ
私はエレスタ王国の宰相、レイ。
王を支え、国政を整え、国で起こる問題を片付ける。
それが私の仕事だ。
新しい王が即位した。
国は新しい時代へ向かおうとしていた。
……ところが。
ある日、王城に一人の女が現れた。
城下町で夫と二人の娘と暮らしていた、どこにでもいる人妻。
そう思っていた。
だが、話してみれば様子がおかしい。
王政の問題を次々と言い当てる。
臣下たちが抱えていた問題まで、まるで最初から知っていたかのように口にする。
そして何より。
陛下が、その女を見る目がおかしい。
王としてではない。
一人の男として、見ている。
……女には夫がいる。
陛下には国がある。
本来なら、交わるはずのないものだった。
ところが。
二人が出会ったことで、王の人生だけではなく、国そのものまで少しずつ変わり始める。
私は宰相だ。
だからこそ、冷静に見極めなければならない。
これは国にとって何なのか。
この女は何者なのか。
そして陛下は、一体どこまでこの女に惹かれているのか。
そう考えていた。
――いたのだが。
**いやいや待て待て待て!!**
どうして恋愛の話をしていたはずなのに、国政まで上手く回り始めているんだ!?
……私は宰相である。
王の恋を見守る仕事ではない。
なのに今日も私は、王と一人の女を眺めながら、頭を抱えている。
この国は一体、どこへ向かっているんだ。