あらすじ
*末尾に本作品の梗概があります。
<人型兵器群――「異翼」稼働についての個体別報告書>
[1] 概要
【I-461.6】……「魔法」と称した、刀剣を使わずに剣技を用いる少女。兵器運用において最も見込みがあると考えられる。
【I-145.5】……身体の八割が機械で覆われた竜族と思われる少女。如何なる機器類をも近づけてはならない。
【I-724.7】……華美な布が弾け、常に身体を取り纏めている少女。種族不明。
【I-415.2】……一人の少年が投影されている「空間」。流動及び分離性を持つと考えられる。
【I-163.5】……天を仰ぎ独り言を発し続ける血塗れの装束を着た青年。決して、抱いている教本を取り上げてはいけない。
【I-901.2】……二十代半ばに見える男性。与えられた部屋から脱走を繰り返している。
【I-559.16】……自らの背丈ほどの火砲を携帯するみすぼらしい少年。接触及び交流は最小限に控えるように。
【I-387.0】……左腕に幾つもの花弁が蠢く少女。常に清潔かつ無人の空間に置くこと。
【I-147.5】……自らを「英雄」と呼称する、異様な気配を身に纏う女性。現在時点において大海域への回帰要求は拒否する。
【I-421.4】……出自不明、瞳に星が刻まれているように錯覚する少女。時間耐性が異常に高い。
【I-111.0】……地球域に出自を持つ少年。対象は――――
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以上、運用を予定する全ての個体は、一部、記憶が欠損している反応を示すことがあった。直近に発生した「黒い汚染」事件のようなことが二度と起きぬよう、慎重な対処を求める。――――<推翼>軍隊長 マグネシア・ゼ―シュタット
*以下、梗概です。ネタバレを多分に含みます。
【梗概】
高校生の庇莢 初染(ひさや はじめ)はある日、登校途中に未来を「掴み取る」神、アバラと彼女を殺し地球を守ろうとする者たちによる戦闘に巻き込まれてしまう。初染は何の記憶も持ち合わせていないアバラを助けようとするが努力虚しく追い詰められ、最終手段としてアバラと自らの体を融合、暴走する。初染から芽吹いた「情報を吸収し自らの力にする」能力で抗うも初染とアバラは分離されて意識を失った。アバラが司っていた世界は初染の中に吸収され、また初染は不死の性質を得てアバラと暴走した事案も忘れてしまった。殺そうとした者の一人、隊長ニアデルウドが所属する連なる翼という軍事機関にアバラと初染は送られる。初染はこの世界の他に異世界である「世界域」が存在し、自由に行き来が可能であることや世界ごとに神という名のシステムが定められていること、また地球には今「神」がいないことを知り、ニアデルウドから軍の一部門「異翼」の隊長に任命されてしまう。加えてアバラと同じく記憶を失い、軍のデータに無い危険隊員十名の指揮を担うこととなる。ニアデルウドの意図は初染の力を用いて危険隊員を封殺することであったが初染は気付かず、隊員である三人の娘と顔を合わせ交流、その内の一人である全身服少女、ベクトルと初の任務に赴く。同じく地球の軍事機関である「心臓の外」のグレイトらも参加し、組織「形而宙」の一員を撃破するため異世界、海の下の水族館に侵入する。館長・クローリアの謀略によりベクトルと初染はグレイトらとはぐれ孤立する。ベクトルは初染を化物と蔑み何故自分を助けたのかと反発するが、結局は善性で危機に陥った初染を助けてしまう。化物と呼ばれるのはニアデルウドの情報を初染が多少取り込んだから。しかし初染は知りようも無く、化物であろうが勝手にベクトルを助けてやると、連なる翼より調査を委託された指輪を用いて魚の嵐を突破。しかし下った先にてクローリアと邂逅、初染は爆散、初めて死んで生き返る。その後二度と死なせまいとベクトルが決意、ベクトルを着た初染はクローリアを瀕死に追い込む。が、クローリアは自らの能力により暴走、グレイトらが合流し援護する中崩れ行く水族館を脱出した。二週間後、異翼に所属する十二名が集結、初染はアバラ、そして最初に会った三人の娘の一人、デリアメと共に地球、日本に重なった「裏札幌」という世界の奪還任務を命じられる。任務の裏では裏札幌が閉ざされている原因、オルカが裏札幌と引き換えに初染を自らの側へ取り込もうと計画していた。初染の暴走の目撃者であり地球の神になろうと目論むオルカはアバラを裏切らせる。が、初めから初染とアバラは彼の存在を知っていた。故に表向きでは要求に従い、裏で心臓の外と協力し裏札幌の住民を全員避難させた。初染は何度も死に、時間稼ぎをした。避難が完了したと同時に異翼隊員を全員招集し反撃を開始する。デリアメにはそのようなことが何も知らされておらず、父と己の格差、オルカの信念に心揺るがされオルカの部下に殺されそうになっていたところ、ベクトルに助けられる。自分は父のようにならなくてもよいと気づき自らの能力の真髄を引き出しオルカの部下を倒す。三人娘最後の一人かつ魔法少女、七梨(ななし)の攻撃が合わさり全力を挙げて抵抗するオルカは危機に陥る。しかし嘗ての仲間の想いがオルカの能力を強化させた。事前に溜め込んでいた世界を裏札幌に塗り重ね自らの世界を展開するオルカ。未来を掴むアバラと初染は自らの能力を制御し、オルカを無力化した。その後オルカと和解し、初染は自らのせいで隊員の記憶が失われている可能性に触れ謝罪する。しかし隊員は皆、構わない、これから取り戻す手伝いを隊長がしてくれるのだろうと言う。初染は必ず皆の記憶を思い出させると決意し、約束した。