あらすじ
──「考える」とは、「問い」を持つことだ。
昨日の自分の正解を、今日の自分が疑え──。
三十年にわたり日本を席巻した伝説の五人組男性アイドル、『Stella』の解散ライブが満員のドームにて行われた。
そして五年後、同じステージに新たな五人のシルエットが立つのだった。
時は、Stella解散から半年後へ遡る。
元絶対的センターである春城藍が、新人男性アイドルのオーディションの開催を発表。
幼い頃からアイドルに憧れ、Stellaの最後を会場で見届けた在良星澄も、これを最後のチャンスと定めて挑戦する。
無事個人審査を突破した星澄は、四人一組のチーム審査へと駒を進める。
チームメイトは元芸人、元ホスト、元VTuberという、年齢も経歴も価値観もバラバラな三人。
彼らは意見を違え、衝突を繰り返していた。
そんなある夜、同じ部屋で眠った四人は、なぜか同じ夢へと迷い込む。
そこには、彼らがそれぞれの事情で置き去りにしてきた青春の日々が映し出されていた。
現実ではデビューを懸けて競い、夢の中では同じ教室で机を並べる。
失った青春を取り戻していくうち、四人は「自分は何者なのか」という問いに向き合っていく。
「人間は考える葦である」
かつて哲学者パスカルが唱えたように、人間は弱い存在だが、考える力を持っている。
アイドルもまた、生まれ持った輝きだけで成り立つものではない。
考え、戦略を練り、ファンを想い、自分をどう魅せるかと問い続け、その思考の積み重ねによってステージに立つ。
スターになろうとするな。
一本の弱く非力な葦であれ──。
※第1回アース・スター文庫キャラクター小説大賞に向けて書き下ろした作品です。