あらすじ
「そんなに怒らないでくれよ。学生の間の遊びじゃないか」
婚約者の隣には、私ではない令嬢がいた。
彼にとっては、学院にいる間だけの遊び。
ならば私にとっても、この婚約は不要だった。
そうして婚約を解消してから、季節がいくつか巡った頃。
私のもとへ、一通の招待状が届いた。
差出人は、かつて私の婚約者を奪った令嬢――ミレーヌ・ロシュフォール。
婚約相手は、国内でも指折りの大貴族、モンフェラン公爵家の嫡男アルベール・ド・モンフェラン。
招待状には、こう書かれていた。
――ぜひ、いらしてくださいませ。
あなたにも、私の幸せを、分けて差し上げたいのです。
どうやら彼女は、私に自分の幸せを見せたいらしい。
それなら。
「お祝いくらい、してあげましょう」
私は笑って、祝宴への出席を決めた。