あらすじ
地球――それは発展を止めることを知らない人類が住まう青き星。しかし今、その青さはあるものに覆われつつあった。
宇宙開発と宇宙ビジネスが過熱する現代。打ち上げられる人工衛星の数が増え続ける中、運用を終えて放置された人工衛星や打ち上げに使われたロケットの残骸、故障して制御不能となった探査機など、いわゆるスペースデブリが深刻な問題となっていた。
ボールほどの大きさのものだけでもその数は数万個に上る。さらに一センチ以下の微細な破片まで含めると、総数は実に数億個に達するとされる。それらは地球の周囲を猛烈な速度で周回しており、ときにはライフル弾の速度をも上回るというのだから問題が起きないはずがなかった。
あるとき、一片のデブリが宇宙ステーションに衝突し、外壁の一部が損傷する事故が発生した。さらに不運なことに、その補修作業のために船外活動を行っていた作業員にも飛来した別の破片が直撃した。宇宙服は深刻な損傷を受け、作業員はステーションに帰還することなく命を落とした。そしてその事故によって新たに生じた破片もまた行き場のないスペースデブリとなって宇宙を漂うのだった。