あらすじ
「あなたは呪いなどではなく、病で殺しているのです」
後宮で生まれては死んでいく乳幼児たち。その死を告げるたび、女たちは口々に呪いの噂を囁いた。 翡翠(ひすい)――かつて隣国で「魔女」と呼ばれ、異教の薬術を説いた罪で火あぶりにされた悪役令嬢は、二度目の人生で中華風の国・璃(り)の後宮に下女として叩き込まれた。前世の記憶と知識だけが武器。だが今度は、知っているだけでは駄目だと分かっている。知っていても救えなかった者たちが、あの世で待っているから。 幼い命を奪う「呪い」の正体を暴こうとする翡翠の前に現れたのは、美貌と毒舌を兼ね備えた謎の宦官・蓮花(れんか)、そして彼女の前世の断罪を裁いた王子に瓜二つの青年だった。 呪いは本当に存在するのか。それとも、人の手で作られた毒なのか。 悪役令嬢は、二度目の人生で「救う側」に回ることを選んだ――たとえ、その先に再び火刑台が待っていても。