あらすじ

頭の中に、もう一人いる。 技術者だったらしいその男は「エンジ」と名乗り、魔法も剣も教えてくれない。教えるのは一つだけ――分からないことを、分からないまま書き留めておけ。 レーベンが覚えたのは、歩数で道を測ることと、薄い板を震わせて合図を送ることと、帳面をつけることだった。強くなる技ではない。数える技だ。 やがて、誰も打っていないはずの震えが、返ってくるようになる。 十二歳で家を出た。獣使いのゲレル、口の減らないマリマリ、名ではなく番号を持つ藍の3、四十年を「このあいだ」と言うエルフのクリスラーナ、国を捨てたドワーフのグルガス。街道を東へ歩くうちに、二十年以上にわたって王を蝕んできた呪と、それを注文した者の帳面に行き当たる。 呪は、止められる。 だが止めれば、打たされてきた側の里が滅ぶ。 剣で決着のつかない話です。数えて、書いて、ときに書かないことを選ぶ話です。 ※この物語には、まったく別の場所からこの世界を観測している者の記録が、ときどき挟まります。そちらはSF寄りです。ファンタジーだけを読みたい方は、その回を飛ばしていただいても筋が通るように書いてあります。

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小説を読もう2026/09/18
  • 現在の作品頭の中の技術者 ~数と帳面で、異世界を測り直す~