あらすじ
冒険者になって三年。
カイン・アークライト、レベル5。
実力はない。 金もない。 借金だけはある。
そんな彼が冒険者を続けていられる理由は、ただ一つ。
「死ぬくらいなら逃げる」
それだけだった。
危険を感じれば逃げる。 勝てない相手とは戦わない。 生きてさえいれば、それで勝ち。
そんなカインと、奴隷の少女フィリアは、騎士団と百人の冒険者による魔物討伐へ参加する。
討伐対象は、たかが百体程度の魔物。
楽勝。 誰もがそう思っていた。
だが、森から現れた魔物の数は、予想を遥かに超えていた。
しかも――魔物たちは、何者かに従っている。
そして戦場に現れた、黒いローブの男。
騎士団長が叫ぶ。
「魔人だ!!」
逃げ惑う人々の中で、カインだけが理解していなかった。
「フィリア。魔人って何?」
その出会いを境に、カインの日常は終わる。
これは、強さとは無縁だった落ちこぼれ冒険者が、 世界の異常に巻き込まれていく物語。