あらすじ
世界を救うため、長い旅の末に魔王城へ辿り着いた勇者エルピス。
ついに魔王との決戦――!
……のはずだった。
「朝ごはん、一緒に食べよう?」
待っていたのは、畑でトマトを育て、家畜の世話をし、
雨の日には本を読み、お昼寝を愛する――
あまりにも平和すぎる魔王だった。
戦いを挑んでも、気付けば畑仕事。
勝負を挑めば、なぜかジェンガ。
魔王城へ行くたびに、勇者の常識は少しずつ壊されていく。
「お前、本当に魔王なのか?」
何度問いかけても、魔王はただ穏やかに笑うだけ。
けれど、その笑顔の奥には――
何百年もの間、誰にも明かさず抱え続けてきた秘密があった。
戦いたい勇者と、どうしても戦いたくない魔王。
これは、ちょっと変わった魔王と勇者が、
世界に繰り返されてきた“物語”を終わらせるまでのお話。
――今日も勇者が尊い。