あらすじ

「ただの幼馴染だから」「競技の邪魔をしたくないから」 手首に巻いたサテンのシュシュを揉みこみながら、私はずっと自分に言い訳を重ねてきた。 家が隣同士で、同じ弓道部で切磋琢磨してきた橘蒼太(たちばな そうた)。 誰よりも実直で優しい彼は、一番近くにいながら、決して一線を越えてこない。 「幼馴染」という安全地帯に守られ、壊れない関係に甘えていた高校生活。 けれど、秋――蒼太の京都・名門私立大学へのスポーツ推薦が決まり、二人のモラトリアムに決定的な終わりが告げられる。 春になれば、彼は関西の寮へ旅立ってしまう。 教室では、傷つくのを恐れて冷たい予防線を張るクラスメイトたち。 お互いの未来のために、物わかりのいい顔をして綺麗にお別れするのが「正しい大人」なの……? ――そんな綺麗な諦め方なんて、絶対に嫌だ。 夕暮れの弓道場。 「今までありがとな、良い幼馴染でいてくれて」と笑う彼を前に、私は手首のシュシュを外し、ボブの髪をきゅっと結び直した。 『幼馴染みなんて言葉で、もうこれ以上誤魔化せない!……私、蒼太を手放したくない!』 言葉の保険を引きちぎり、泥臭く本音を掴みに行く――不器用な二人の恋と覚悟の物語。 ※本作は『好きって言えない……』シリーズのスピンオフ作品です。 ※本編や他スピンオフをお読みでない方でも、本作単体で完全にお楽しみいただけます。

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カクヨム
カクヨム2026/09/07
  • 現在の作品好きって誤魔化せない…。