あらすじ
過労がたたって32歳で命を落とした薬剤師・珠城灯織。目を覚ますと、そこは異国の後宮――蒼玉皇国の最奥に位置する下働きの宮女「藍(あい)」の体だった。
押しつけられた仕事は、妃たちに供される薬膳や茶の毒見役。
「二度と過労死なんてゴメンだわ。前世の知識でさっさとホワイトなポジションを手に入れてやる!」
そう決意した藍は、持ち前の薬学知識と鋭い観察眼で、薬湯に仕込まれた危険な毒の相互作用を瞬時に見抜き、周囲を愕然とさせる。
だが、この後宮にはもう一つの暗い闇があった。無念のうちに死んだ者が変貌する「鬼」の存在だ。
夜毎に徘徊する鬼たちの影。真相を追う藍は、鬼を力で斬り祓う冷徹な武官組織「破魔衆」の隊士・炎堂迅と出会う。
ただ斬るだけの迅に対し、藍は鬼の体に残る「毒(=死因)」を見破り、薬でその苦しみを和らげて成仏させていく。
「お前のその眼と知識……俺のために使え」
剣と薬。正反対の二人が手を組み、後宮に渦巻く陰謀と鬼の哀しき真実を暴く、和風後宮医療ミステリー&バトルファンタジー!