あらすじ

前世は、剣と魔法の世界に生まれた農家の三男。 握っていたのは剣より鍬。魔物より畑の虫に悩まされ、二十九歳の冬に病で死んだ。 そんな俺も、日本に転生して今では高校二年生。 冷房の効いた教室に、温かい飯。漫画もゲームもある暮らしを満喫していた――はずだった。 教室に現れた魔法陣が、クラス全員を飲み込むまでは。 「勇者諸君! 君たちを召喚した理由を今から話そう」 呼び出されたのは、魔族の侵攻に苦しむアルセリア王国。 その名前にも、三十人を超える異界の勇者が呼ばれたという話にも覚えがある。 ここ、前世で暮らしていた世界じゃないか? しかもこの国、勇者を呼んでも結局は滅びたはずだぞ。 ――俺がその勇者かよ! 国の保護を受ける代わりに、戦争へ行く。 そんな話に頷く気はない。神崎修平は城を出て、友人の健太、同級生の栞と共に生きる道を探す。 まずは上等な制服を売って路銀を作り、粗末な服に着替えて街道へ。 目指すのは、前世の故郷だ。 ところが懐かしい村には、家族だけでなく、まだ生きている前世の自分までいた。 今の顔で息子だと名乗れるわけもない。 三人は村外れの小屋と荒れ地を借り、鍬を握るところから暮らしを始める。 最初は草を刈るだけで疲労困憊。それでも働き続けるうちに、三人に不思議な力が現れた。 誰より働いても疲れず、開墾も荷運びも続けられる健太。 撒いた麦や野菜が、見違えるほどよく育つ栞。 そして修平は、初めて使った投槍で次々とイノシシを仕留めてしまう。 これが勇者の力なら、村で食っていくには大助かりだ。 仕事を覚え、収穫を喜び、村人と食卓を囲む。 よそ者だった三人にも、頼ってくれる相手と帰る家ができていく。 クラスの連中が魔族を押しとどめてくれれば、俺たちはここで暮らしていける。 そう願っていたのに、勇者たちが押し戻した戦線は再び崩れ、村にも徴兵の知らせが届いた。 「うちは俺が行きます。健太は残してください」 戦争なんて行きたくない。 だが、畑を支える健太より、槍を使える自分が行く方がまだましだ。 村には、二人に守ってもらいたい家族もいる。 せっかく手に入れた暮らしを、魔族に奪わせるつもりはない。 逃げ出した勇者は愛用の槍を手に、生きて帰るための戦いへ踏み出す!

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カクヨム
カクヨム2026/09/17
  • 現在の作品家族を守りたいだけなのに、魔族を殺すほど強くなる俺は戦場から降りられない ~日本に転生した俺は、クラス転移で再び異世界へ戻ってきた~