あらすじ

夜会の席で、侯爵令嬢アエミリアは、自分のために仕立てられたはずの深紅の花嫁衣装を、別の女が着ているのを見た。

怒りをぶつけた直後、婚約者は彼女を「浪費家で嫉妬深い悪女」と断じ、衆人環視のなかで婚約破棄を宣言する。

突きつけられたのは、アエミリア自身の署名が入った多額の支払書。

署名は本物。金が消えたのも本当。彼女が女を侮辱したのも事実だった。

誰もが勝ち目はないと和解を勧めるなか、アエミリアは王都の法院通りで、机一つを置いて依頼人を待つ男を訪ねる。

名はヴァンフリート。貴族にも法院にも容赦なく噛みつく、腕は確かだが口は最悪の代言人だった。

「署名は本物。金も消えた。お前も女を罵った。ここまでは全部本当だ。だから妙なんだよ。嘘が一つもないのに、出来上がった話だけが胡散臭い」

彼が争うのは、起きた事実ではない。

誰が金を使ったのか。誰が利益を得たのか。そして、誰が事実へ都合のよい意味を貼りつけたのか。

事実は残す。責任は分ける。余計な罪名だけを剥がす。

これは悪女を聖女に書き換える物語ではない。

誰かに作られた“悪女の物語”を、証拠と毒舌で解体する物語

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アルファポリス
アルファポリス2026/09/11
  • 現在の作品悪女だから婚約破棄? なら法廷で証明してみろ。――嘘なき冤罪を解剖する毒舌代言人と、悪女にされた令嬢たち