あらすじ
十一人全員が、自分が殺したと言った。
しかし、十一人全員に、確実なアリバイがあった。
山奥にある、人口十一人の集落。
そこで一人の旅行記者が殺された。
住民たちは全員、犯行を認める。
証言に矛盾はなく、凶器からは全員の指紋が検出された。
それなのに、死亡推定時刻には誰も現場にいなかった。
取材に訪れた記者・藤崎駿は、町を覆う奇妙な沈黙に違和感を抱く。
なぜ彼らは、疑われることよりも、過去を語ることを恐れるのか。
やがて浮かび上がるのは、犯人探しの前提を揺るがす疑問だった。
この町が隠しているのは、殺した人間なのか。
それとも、殺された人間なのか。
十一の自白。一つの死体。消された名前。
罪と記憶をめぐる、一冊完結の閉鎖集落ミステリー。
『この町には、犯人しか住んでいない』
著者:刈谷ユウサク