あらすじ
大学に通いながら、街の小さなカフェでアルバイトをしている白石さくら。
おっとりしていて、少し夢見がち。
ミステリー小説が好きではあるものの、自分に推理の才能があるなんて思ったこともない。
そんな彼女の前に、カフェの常連客である人気ミステリー作家・九条怜が現れる。
端正な容姿と鮮やかな推理で「若き天才」と呼ばれる九条。
けれど、その実態は――現実の謎解きが大の苦手だった。
ある日、さくらが何気なく口にした一言をきっかけに、二人は小さな事件を解決することになる。
それをきっかけに、九条のもとには警察から難事件の相談が舞い込むようになり、さくらも彼の「助手」として事件に関わっていくことに。
失くした指輪。
誰かにつけられているという女子学生。
大学に残された古い写真。
差出人の分からない手紙。
一見すると、どれも日常の中で起こる小さな出来事だった。
けれど――。
さくらが「なんとなく気になる」と拾い上げた小さな違和感は、少しずつ過去の事件へと繋がっていく。
そしてある日、二人が辿り着いたのは、十二年前に閉鎖されたはずの「月影資料室」。
そこには、これまでの事件を一本の線で結ぶ、ある秘密が隠されていた。
これは、ちょっと変わった二人と一人の刑事が、身近な謎を解きながら、やがて大きな事件の真相へ近づいていく物語。
――そして白石さくら自身もまた、その事件と無関係ではなかった。