あらすじ
教会で育った孤児の聖女、セラ。
治癒と浄化の力を持つ彼女は、シスターとして穏やかな日々を送っていた。
そんなある日、セラは定期浄化のため、国でもっとも恐れられるディアス公爵家へ派遣される。
そこで出会ったのは、黒髪に赤い瞳を持つ公爵家嫡男、エレヴ・ディアス。
短気で口も悪く、人を寄せつけようとしないエレヴ。
その身体には、決して他人には見せない黒い痣が広がっていた。
かつて建国戦争を終わらせるため、悪魔と契約したディアス公爵家。
その代償として一族は生まれながらに真名を奪われ、やがて理性を失い魔人へと変わる呪いを背負っていた。
普通の浄化では消えることのないエレヴの呪い。
しかしセラが彼に触れた時、これまで誰にも起こせなかった変化が現れる。
「お前……何者だ?」
自分でも知らなかった力。
失われた真名。
そして、教会の前に捨てられていたセラ自身の出生。
惹かれ合う二人が真実へ近づくほど、神と悪魔の戦争によって隠された建国の歴史が姿を現していく。
これは、名を奪われた魔人と、
自らの名を知らない聖女が、
互いの本当の名前を見つける物語。