あらすじ

幕末――。 江戸・試衛館に、誰よりも剣を愛し、誰よりも鮮やかに笑う若者がいた。 その名は、沖田総司。 竹刀を握れば、大人さえ息を呑む天才剣士。 しかし道場を離れれば、仲間と笑い、子どもたちと遊び、近藤勇を心から慕う一人の青年だった。 近藤勇、土方歳三、山南敬助、永倉新八、藤堂平助――。 まだ誰も歴史上の人物ではなかったころ、彼らは同じ道場で汗を流し、笑い、夢を語っていた。 やがて時代の奔流は彼らを京都へ導く。 掲げられた「誠」の一文字。 新選組最強の剣士として、沖田は仲間を守るため刀を振るう。 だが、その身体には静かに病魔が忍び寄っていた。 昨日まで届いた剣が、届かない。 仲間が命を懸けて戦う中、自分だけが戦場へ行けない。 剣を愛し、剣とともに生きてきた男から剣が失われていく時、沖田は初めて問い始める。 ――剣を持てなくなった自分に、何が残るのか。 ――長く生きることだけが、「生きた」ということなのか。 これは「天才剣士・沖田総司」の伝説ではない。 限られた命の中で、愛し、笑い、苦しみ、それでも懸命に生きようとした一人の青年の物語。 『幕末志華録』が贈る、命と青春、友情、そして別れの長編歴史小説。

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エブリスタ2026/09/15
  • 現在の作品薄桜の剣 ―沖田総司、命の果てに―