あらすじ
このクラスには能力者がいる。
後藤直人には、誰なのかが一目でわかる。
能力の種類も、強さも、目的も分からない。
ただ、持っているかどうかだけは間違えない。
高校二年の六月。
同じクラスの水野紗季が能力者であることも、直人は前から知っていた。
だからといって、関わる理由にはならない――はずだった。
探究活動で同じ班になったことをきっかけに、二人の距離は少しずつ縮まっていく。
その矢先、同じ班の高瀬航が紗季へ妙に絡み始めた。
紗季もまた、高瀬にだけ明らかに距離を取っている。
能力絡みだ。
たぶん、それも分かる。
けれど、知っていることと、踏み込んでいいことは同じじゃない。
異能は見つかる。
それでも、人のことは簡単には分からない。
秘密と判断、その境界を巡る現代異能譚。