あらすじ
現代に生きる女性・陸離(りくり)は、失恋したその日に、ふと思い立って人生で初めての献血をすることにした。
ところが、血を抜かれている最中、突然目の前に現れた赤い光に包まれ――目を覚ましたのは、平安時代によく似た、もう一つの日本だった。
そこは、人間と妖が共存する世界。
しかし、人間の血はいつしか黒く変わり、この世界に「赤い血」は存在しなくなっていた。
陸離は、赤い血を持つものとして召喚された。
彼女を呼び寄せたのは、貔貅(ひきゅう)の大妖怪・琅玕(ろうが)。
五年前に突如として現れた未知の呪いを受けた彼は、人間の赤き血を飲まなければ生きられない身体となっていた。
呪いを解くまで、己の一族を誰ひとり死なせたくない思いで禁術を使い、別の世界から「赤い血を持つ人間」を呼び寄せたのだという。
自分の血が誰かの命を救えるのなら、と協力することを決めた陸離。
だが、彼女を待っていたのは、血を求める妖たちと、謎に包まれた呪いだけではなかった。
赤き血に導かれ、血の赤き糸にまとわれた二人が、遠い過去から続く運命の縁に触れていく。
――血ぎりに、夢うつつ。