あらすじ
一条紗夜と久我光一は恋人である。
ただし———『お互い、絶対に好きになってはいけない』という条件付きの。
過労死した男が次に目を覚ました時、なんと彼は七大財閥の一つ、一条家の一人娘『一条紗夜』という美少女に転生していた。
顔よし、性格よし、家柄よし。
高すぎるスペックのせいでどこへ行っても男たちに群がられる日々。
だが、中身が男である紗夜にとって、男からのアプローチなど苦痛でしかない。
(……頼むから静かに暮らさせてくれ。今世こそ、平和で穏やかな人生を送りたいんだよ……!)
そんな日々に辟易していた、そんな時。
同じく七大財閥家であり、文武両道・容姿端麗を地で行くハイスペ男子『久我光一』から、思いがけない提案をされる。
「群がってくる女性たちに、いい加減嫌気がさしていてね。君も同じだろう? ——だったら僕と、付き合っているフリをしてくれないかな?」
まさに渡りに船。
互いの虫除けという利害が一致した二人は、契約上の『偽装恋人』となった。
これで面倒な男どもから解放され、望んでいた平穏な日常生活が手に入る。
そう、紗夜は心から安堵した。
だが——恋人の『フリ』を続けるうちに、二人の関係は予期せぬ方向へと狂い始めていく。
あろうことか、一条紗夜と久我光一は、お互いに本気で恋に落ちてしまったのだ。
(ほんとは、ずっと前からわかってた。ボクはもう、彼氏くんに堕とされてたんだって)
(……参ったな。ただの契約だったはずなのに、彼女を誰にも渡したくない)
しかし、二人を縛るのはあの時の契約——『どっちかが本当に好きになったら、お終い』という絶対のルール。
好きだと伝えた瞬間、相手に「じゃあ契約終了だね」と冷たく切り捨てられてしまうかもしれないという恐怖。
ゆえに、二人のすれ違いは加速する。
これは、そんな二人がお互いを惚れさせるべく奮闘し、幸せになるまでを綴った物語