あらすじ
21xx年。
出生年齢の上昇、環境汚染、周産期要因、診断範囲の拡大、医療技術の発達。
そして何より、政府による「健常」の定義そのものの縮小。
二十一世紀には「個性」と呼ばれていた程度の特性まで、二十二世紀には「非健常者」と分類されるようになった。
やがて健常者と非健常者の人口比は逆転。
社会は混乱した。
労働効率の低下。
治安の悪化。
増え続ける責任能力のない犯罪者。
そして政府はついに、人権そのものを段階的に制限する新制度を施行する。
犯罪歴を重ねた者は「人間」としての権利を失い、最終的には処分の対象となる。
そんな社会に生きる青年、植松徹也
彼もまた、公的認定を受けた「手帳持ち」の一人だった。
だが徹也は、自分たちが社会から不当に虐げられていると信じている。
責任を求めるのは差別。
規則を守れというのも差別。
怒らせた相手が悪い。
生活に必要なら、他人の物を持っていくことだって仕方がない。
だって、自分たちは弱者なのだから。
やがて徹也は同じ境遇の仲間たちと出会い、人権回復を掲げた運動へと身を投じていく。
彼らの願いはただ一つ。
誰もが平等に生きられる社会。
誰も傷つかない社会。
誰も責任を押し付けられない社会。
そのためなら多少の暴力くらい、仕方がない。
これは、人権を奪われた彼らが自由を取り戻す物語。