あらすじ
会社を理不尽な理由で辞めた青年・和樹は、すべてを捨てるように一人バイクで熊野を目指す。
富田川の河原で出会ったのは、不思議な少女・巴美。
「呪い」と「契約」。
その一言から、二人の奇妙な旅が始まった。
熊野古道、中辺路、大雲取越、那智の滝――。
神々が宿る山々を巡る道で出会うのは、牛鬼、ヒダル神、木霊、そして人知を超えた怪異たち。
口は悪いのに嘘はつかない少女。
心を閉ざした青年。
旅を続けるほどに、少しずつ縮まっていく二人の距離。
けれど、巴美には和樹へ決して語ることのできない秘密があった。
これは、熊野の風が運んだ、
一人の青年と「川の姫」の少し切なく、不思議な旅の物語。