あらすじ

「人間は、自分の信じたい嘘にしか騙されない」 若手警察官の健一は、特殊詐欺の被害者を「欲に目が眩んだ馬鹿だ」と冷ややかに見下していた。彼の実家には、亡き夫が弁護士だったという特権意識にしががる母・万里子がいた。彼女は息子の忠告を「無知な一般人の嫉妬」として完全にシャットアウトしていた。 ある日、万里子の元に「警察庁」を名乗る国際電話がかかってくる。 詐欺師たちは、彼女の歪んだ自尊心と法曹関係者への憧れを完璧に利用した。「あなただけは特別だ」という甘い毒に酔いしれた万里子は、銀行員や息子の必死の制止すら「無知な凡人の妨害」と撥ね付け、遺産の3000万円を振り込んでしまう――。 数ヶ月後、逮捕された詐欺グループの押収品から見つかったのは、一冊の「新人教育メモ」だった。 そこには、人間を操るための冷徹な心理誘導と、カモリストに載った「母の名前」が赤ペンで記されていた。 「知っているつもりの人間」ほど脆い。 現代の闇に蠢く狐火と、欺瞞に満ちた人間心理を描く戦慄の社会派サスペンス。

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カクヨム
カクヨム2026/09/17
  • 現在の作品狐火――自分の信じたい嘘にしか騙されない