あらすじ
結婚式の一週間前、両親から届いたのは祝福ではなく、出席するための条件だった。
招待した二人の女性を呼ばないこと。
彼女たちを逃がしたのは間違いだったと認め、謝ること。
実家で婚礼の仕事をしていた私は、望まない結婚を断った二人の花嫁を送り出した。
今は家を離れて仕立て店で働き、三年付き合った家具職人のエリクと結婚する。
両親の条件は、どちらも断った。
それなのに式の当日、私は父と母の席札を片づけられずにいる。
「俺も今日、君と結婚したい」
そう言ってくれる人がいる。
そして、招待した二人の花嫁も来てくれた。
一人は、あの日に私が貸した靴を、大切に抱えて。
――これは、誰かの花嫁支度をしてきた私が、自分の結婚式を始めるまでのお話。