あらすじ
八歳の少女・みちるには、人には見えないものが見える。
母親とその恋人から逃げ出し、行き場をなくした彼女を引き取ったのは、六道リンネという少し変わった女だった。
それから一年。
みちるが連れてこられたのは、東京・高尾山。
「今日からここがお前の家だ」
山の中に建つ古い日本家屋。
屋根の上には巨大な怪鳥。
夜になれば、金色の灯籠がひとりでに道を照らす。
そして山には、人間だけでなく、妖怪や神様や、名前も知らない不思議なものたちが当たり前のように暮らしていた。
怖いものもいる。
悪いものもいる。
けれど、人間よりずっと優しいものだっている。
狐のぬいぐるみ《コン》を抱えて、みちるはリンネとともに、そんな彼らの世界へ足を踏み入れていく。
これは、高尾山に暮らす女術師と、その弟子になった少女の物語。
人とあやかしの間を歩く、二人の少し不思議な日々が始まる。