あらすじ
魔王ヴェルド、実年齢120歳。
北の三州を焦土に変えた暴君――父の失敗に学び、彼が掲げたのは「持続可能な世界征服」。
飢えた村に麦を貸し付け、倉を握り、秋に取り立てる。
一度きり奪うのは強盗。奪い続けるのが支配である。
すべては計画どおり――のはずだった。
部下が清書した征服要綱は、なぜか慈善の手引きに。
「秋に回収する」は「秋の収穫ですね!」に。
山分けの税は、耳の遠い村長のせいで「五分」に。
泣いて感謝する村人を見て、魔王は確信する。
「恐怖の涙だ。支配は順調である」
正直に「私は魔王だ」と名乗れば、言い伝えの“真王様”と崇められ、
忠実な四天王は、主の善行を「深謀遠慮の擬態」と勝手に読み解いて暴走する。
征服率、本日も0%。
本気で支配したい魔王と、全力で善行に変えてしまう世界の、勘違いコメディ。