あらすじ
短縮タイトル:いつも死んでいるのを見つける女
ひとりの女が、何度も何度も殺されている。
警視庁捜査一課の刑事・如月蓮(きさらぎ れん)は、管内で頻発する猟奇的な殺人現場で「同じ顔」を見つけていた。
その遺体は毎回、目を背けたくなるほど残酷に切断され、バラバラにされているというのに。
被害者の名は、黒瀬紫苑(くろせ しおん)。すでに死亡が確認されているはずの、息を呑むほど美しい女だった。
単なる戸籍の悪用か、それとも狂信的な模倣犯か——。
そう考えていた蓮の前に、突如として彼女が現れる。
生きた姿で。
彼女は普通の人間が知り得るはずのない事実を知り、跡形もなく消え、そして惨殺されるたびに再び蓮の前に戻ってくる。さらに、なぜか刑事である蓮に異常なほどの興味を示していた。
事件の異常性と、幾度も繰り返される凄惨な死の謎。
真相を解き明かすため、蓮はあえて「生きている紫苑」に接触を図る。
全ては純粋な捜査のため。猟奇殺人のからくりを暴くため。
そう自分に言い聞かせ、偽りのアプローチを仕掛ける蓮だったが、共に過ごす時間の中で、二人の関係は予期せぬ方向へと狂い始める。
彼女の抱える深い謎に触れるうち、蓮はいつしか、捜査対象であるはずの彼女に本物の恋心を抱いてしまっていた。
真実に近づけば近づくほど、事件は人間の理解を超えていく。
黒瀬紫苑とは一体何者なのか?
なぜ彼女は、何度肉体を切り刻まれても生き返るのか?
そして、死の螺旋の中心にいる彼女は、なぜ自分を追う刑事に惹かれ始めているのか?
事件の真相を追っていたはずの刑事は、いつしか人外の怪物と致命的な恋に落ちた。
果たして彼が愛してしまったこの美しい女は、人間なのか。
それとも——宇宙の深淵から飛来した、恐るべき『何か』なのだろうか?