あらすじ

治癒術師レオンには、S級冒険者を目指す四人の仲間がいた。 A級昇格を目前にした任務で、五人は依頼書にない未知の怪物を討ち果たす。 だが、その帰路。 魔王軍が街を襲った。 住民を逃がすため、殿に残った五人は、全員が致命傷を負う。 死を待つしかないレオンに残された、生存の可能性は一つだけ、討伐した怪物の核を取り込み、死にゆく仲間たちの身体を喰らうこと。 四人の最期の言葉は、ただ一つ。 ――生きろ。 レオンは、仲間を喰らった。 そうして生き延びた治癒術師は、壊れた身体を魔物の力で補いながら、魔王を討つようになる。 そして、魔王の肉体すら取り込む。 人を救うたび、レオンは人間から遠ざかっていく。 腕を失えば、魔物の腕を。 心臓を失えば、魔王の心臓を。 救った命の数だけ、彼の中から人間らしさが消えていく。 それでもレオンは、誰も帰ってこない地獄へ降りていく。 まだ、救える人間がいるから。 やがて人々は、魔王よりも魔王らしい姿で生存者を連れ帰る彼を、こう呼ぶようになる。 《聖者》 仲間を喰らって生き残った治癒術師が、人を救うほど怪物になっていく。 禁忌から始まる、ダークファンタジー。

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カクヨム
カクヨム2026/09/17
  • 現在の作品『聖者は地獄へ降りる』