あらすじ
二〇二六年。無菌室のように綺麗で無臭な街で暮らす高校生の蓮(れん)は、亡くなった母の遺品整理の最中、天袋の奥から一本の古いカセットテープを見つける。
『1982.10.14 YUKARI』
父の古いデッキに押し込み再生すると、スピーカーから流れてきたのは「シャー」という強烈なヒスノイズと、1982年の雨の日に一人で部屋で泣いている16歳の少女の声だった。
「ねえ、未来の人。そこに私の好きな人はいる?」
自作の音声解析プログラムを通し、半信半疑でマイクに声を吹き込む蓮。
するとノイズの向こうから、信じられない悲鳴が返ってきた。