あらすじ
目を覚ますと、わたしは十五歳の少女――名家・水守家の令嬢「水守なぎ」になっていた。
お金にも住む場所にも困らない、お嬢様生活。
おまけにこの世界には「異能力」まで存在するらしい。
……ここまでは、案外悪くない。
問題は、わたしの将来がすでに決められていたことだった。
高校を卒業したら、神聖な存在として崇められる「白さま」と呼ばれる女性のそばに生涯仕える。大学進学も、結婚もなし。
いや、ちょっと待ってほしい。
わたしは普通に大学へ行きたい。
自分の人生くらい自分で決めようと、異能について調べ始めたわたしだったが――なぜか周囲には、とんでもなく強い女ばかりが集まり始める。
公的には男性として生きる、186cmの護国の象徴・晶守さま。
水を司る、人ならざる白髪白眼の「白さま」。
世界的に指名手配されている、美しく冷酷な悪役お姉様。
そして179cm、赤髪の王子様みたいな専属護衛。
最初はただの親族。
ただの付き人候補。
ただの餌。
ただの護衛対象。
――だったはずなのに。
「ぼく、今のきみ結構好きかも」
「……なぎ。明日も来る?」
「なぎさん、今日はきちんと召し上がりました?」
「勝つ必要ねえだろ。あんた無事だったじゃん」
どうしてみんな、そんなにわたしを手放してくれないんですか?
しかも、わたし自身にも他者の異能へ干渉する特殊な力があることがわかり、決められていた人生から逃げるどころか、ますます大人たちはわたしを囲おうとしてくる。
これは、世界を救う物語ではない。
誰かに決められていた人生を、自分のものとして選び直す物語。
そして――
強すぎる女たちから、めちゃくちゃ愛される物語。