あらすじ

郵便局に勤めるタケシは、感情を言葉にするのが極端に苦手な男だった。嬉しくても、困っても、悲しくても、「まあ」「うーん」としか言えない。 そんな彼を唯一理解していたのが、妻のコハルだった。損得なしで誰とでも友達になる、明るくお節介な人。長い年月をかけて、二人は「まあ」と「うーん」だけで通じ合える関係を築いていた。 ある日、コハルが交通事故で急死する。亡くなる前日の朝、彼女は「ねえ、タケシ」と何かを言いかけ、「帰ってきてから話す」とだけ言い残した。それが、最後の言葉になった。 葬儀には、タケシの知らない人たちが次々と現れる。コハルがどれだけ多くの人と関わっていたのか、彼は初めて知ることになる。 そんな中、郵便局にひとりの少女が現れる。祖母への、宛先のない手紙を抱えて。「一番のっぽのおじさんに預けて」と、誰かに言われたのだという。 なぜ自分が選ばれたのか。あの日、妻は何を言おうとしていたのか。 答えのない問いを抱えたまま、タケシの、変わらない日々が続いていく。

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カクヨム
カクヨム2026/09/17
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