あらすじ
高校一年生の高橋悠斗は、雨の帰り道、一匹の子猫を助けようとして命を落とした。
次に目を覚ましたとき、悠斗がいたのは見知らぬ深い森。
そして――自分の身体は、見覚えのない少女のものになっていた。
「……俺、女になってる?」
ここがどこなのかも分からない。帰る場所もない。
それでも生きるために森を歩き始めた悠斗は、自分の身体にさらなる異変が起きていることに気づく。
人間離れした身体能力。
傷を癒やす不思議な力。
そして、どうしても抑えられない血への渇き。
自分が転生したのは、かつてこの世界から滅びたとされる種族――吸血鬼だった。
新たな名前をシルヴィアと決めた悠斗は、剣と魔法の世界で生きていくため、冒険者になる。
そこで出会った仲間たちと依頼をこなし、魔物と戦い、旅をし、時にはくだらないことで笑い合う。
前の世界では特別なものなんて何も持っていなかった。
けれど、この世界では少しずつ、大切なものが増えていく。
そんな日々の中、シルヴィアは奇妙な違和感を覚え始める。
五百年前に滅びたはずの吸血鬼。
各地に残された古い遺跡。
人間が語る歴史と、遺跡に刻まれた記録の食い違い。
――本当に、吸血鬼は滅びたのか?
やがてシルヴィアは、自分がこの世界に転生したことさえ、決して偶然ではなかったことを知る。
これは、かつて「高橋悠斗」だった少女が、仲間たちと共に異世界を旅しながら、自分自身と失われた吸血鬼の真実を探していく物語。
剣と魔法、冒険と日常。
そして、五百年前に消えた吸血鬼たちが残した、世界の秘密。
「俺」だった少女の、もう一度始まる異世界生活。