あらすじ
祖父が遺した埃っぽい蔵の奥で、僕は一枚の風景画と出会う。
そこに描かれていたのは、かつて幼い僕が目にしたはずの鮮やかな世界——ではなく、まるで世界から全ての色彩が吸い取られたかのような、寂しげな「白黒」の風景だった。
湖畔、山々、奇妙な塔。
そして、どこか切なげに佇む、後ろ姿の少女。
呆然とする僕の胸元から顔を出したのは、小さな羽を持つ、おしゃべりな一匹のフェネック。
絵の中に隠された真実と、失われた色を取り戻すため、僕はふたつの世界を跨ぐ不思議な『色集め』の旅へ出ることになる。
集めた鉱石を擦り潰し、キャンバスへ色を灯すのは、絵を描く才能を持つ幼馴染の少女。
ひとつの色が戻るたび、止まっていた刻(とき)が、静かに動き始めていく。