あらすじ

獣人たちが経済活動を営む『ジャパウ国』。その極東の企業で働く山田パグ吉(36歳)は、生まれつきの短足とシワの寄った顔立ちを持つ冴えない中間管理職だ。 毎朝の大寝坊、パグ特有の狭い気道を締め付ける満員電車、そして営業1課の血気盛んな狂犬チワワたちが社外で巻き起こす不始末の火消しに追われる、満身創痍の日常を送っていた。 しかし、パグ吉には同僚の知らない「もう一つの役目」があった。 それは、その「どれだけ叱られても深く反省しているように見える顔立ち」を買われ、創業者であるフレンチブルドッグの黒川会長から、社内の陰湿なトラブル処理を極秘に押し付けられる『便利な捨て駒』という立場だった。 ある日、パグ吉は経理部長・佐々木(アフガンハウンド)に浮上した、大型肉食獣の取引先との巨大な裏金流用疑惑の調査を命じられる。 昼飯を食い損ね、鋭敏な嗅覚が他人の弁当の匂いに苦しめられる中、愛飲するパイプ煙草『スイートダブリン』の紫煙とともに頭を抱えるパグ吉。相棒のメールボーイ(ペキニーズの田中)と訪れた獣人専用サウナの熱風と極寒の水風呂の中で思考を覚醒させた彼は、深夜のオフィスへと潜入し、二重底に隠された手書きの裏帳簿を泥臭く複写することに成功する。 翌朝、会長室で動かぬ証拠を突きつけられ、自慢の優雅な毛並みを脂汗で濡らして失脚する佐々木。 だが、見事に巨大な膿を摘出してみせたパグ吉を待っていたのは、栄転でも特上肉の宴でもなく、見切り品のサンドイッチと「営業1課がまた起こした特大クレームの火消し」という新たな地獄だった。 悪を討っても給料は上がらない。胃袋が満たされることもない。 それでも明日を生きぬくため、パグ吉は今日もシワに汗を溜めながら頭を下げる――。 クスッと笑えて、どこか切ない。 全国の働く大人たちに贈る、社畜パグの泥臭い痛快サラリーマン・サスペンス!

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カクヨム
カクヨム2026/09/16
  • 現在の作品『サラリーマンパグ吉 ~今日も尻尾は上がらない~』