あらすじ

「持参金のない娘は要らない。商いは損得だ」 商家の跡取りだった婚約者は、うちが没落した翌週にそう言った。 損得。結構ですわ。では、得のある所へ参ります。 辺境伯領の関所が、検め役を探していた。荷を検め、税を取り、通す。給金は月に金貨二枚。 「一荷目。絹十反、産地は隣国とのことですが、この織りは王都ですわね。関税は倍」 「二荷目。花嫁道具一式、宛先は辺境伯様。持参金は金貨三百、ただし箱の底は石ですわね」 三荷目、四荷目。荷を開けるたびに、誰かの嘘が一つ減る。 「ロズモンド! 俺の荷を止めるな!」 「関所は荷を検める所ですもの。元婚約者様の荷も、王家の荷も」 そして辺境伯様が、関所の窓口の前に立って仰った。 「関所を通れた花嫁候補は、まだ一人もいない」 「検めが厳しくて、申し訳ありません」 「いや。検める側に、一人いる」 「お通りください。荷は、こちらでお預かりしますわ」

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小説を読もう2026/09/17
  • 現在の作品「持参金のない娘は要らない」と婚約破棄された没落令嬢、辺境の関所を預かります ~通る荷を検めていたら、元婚約者の商いも花嫁候補の嘘も全部見つけました~