あらすじ
人類は、すでに神々を殺した。
数世紀前、あり得ないはずの戦争が人類の勝利によって終結し――新たな時代が始まった。
だが、この世には死ぬことを知らないものがある。
現在、世界の広大な地域が《トロノス》に呑み込まれている。
そこは現実の法則そのものが崩壊する領域。
《アノマリア》と呼ばれる怪物たちは、あり得ない姿を取り、長く留まりすぎた者は、やがて自分自身すら認識できなくなる。
それでも、人類は生き延びる術を学んだ。
毎年、軍隊、《アセンディド》、そして《白旗》たちは、《大行進》と呼ばれる世界最大規模の軍事作戦で、その領域へと足を踏み入れる。
《アノマリア》を殲滅する。
《汚染》を封じ込める。
《トロノス》の拡大を阻止する。
そして人類は、それを勝利と呼ぶ。
なぜなら数世紀前、人類は一つの単純な真実を学んだからだ。
《トロノス》を征服することはできない。
ただ、眠らせ続けることしかできない。
だが今、何かが変わり始めている。
存在するはずのない場所に《トロノス》が現れ始めた。
古より続いてきた法則が崩れ始めている。
そして、すでに死んだと信じられていた領域の奥深くで――
何かが再び動き始めた。
次の《大行進》が、まもなく始まる。
そして今度は――
もしかすると、
《トロノス》の内側に潜む何かは、
この時をずっと待っていたのかもしれない。