あらすじ
守るたびに、少年は大切な人を忘れる。
十八年前、地図にない島から回収された、全高十八メートルの白い人型機械。
所属不明の艦隊に街を襲われた高校生・朝倉カナタは、地下に封印されていたその機体へ偶然乗り込む。
機械が要求した代価は、搭乗者を形づくる情報。
カナタは母の顔を差し出し、白い巨人《ガーディアン》を起動させた。
世界には、人間の感情を喰らって動く七機の古代機動兵器が存在する。
怒りを燃やす《アヴェンジャー》。
傲慢を力に変える《ソヴリン》。
欲望、嫉妬、愛着、飢え、停滞を求める機体たち。
だがガーディアンだけは、感情ではなく人間の記憶を欲しがった。
幼なじみのミオと海洋調査船《アルゴー》へ乗り込んだカナタは、失った祖父の記録と、地図に存在しない島《ネモ》を追って海へ出る。
母の顔。
幼い日の約束。
ミオを好きになった理由。
世界を守るたび、カナタの中から大切な過去が消えていく。
その一方で、記憶を得たガーディアンは少しずつ人間らしくなり、やがて一つの問いを口にする。
「――私は、誰だ」
忘れているのは、搭乗者だけではない。
これは、記憶を失いながら世界を守る少年と、人間になろうとする兵器が、「人はなぜ争うのか」を探す航海の物語。