あらすじ
偉大な魔法師の一人と名高い〈白銀〉が、掟破りの魔法師として粛正された。
――その事件から十二年の時を経て、この物語は、大陸東部に広がる「水の国」から始まる。
小さな村で暮らすアズサ・リアンタは、《天音の心》を持たず、魔法を使うことができない少年だった。
そんな彼の前に現れたのは、名前も過去も失ったひとりの少女。
「ユキ」
そう名づけた少女と出会った日から、アズサの日常は静かに変わり始める。
やがて彼は、これまで知らずにいた自分自身の秘密と、世界の奥に隠されたものへと近づいていくことになる。
出会い、友情、別れ、そして選択。
これは、何も持たないと思っていた少年と、記憶を失った少女から始まる物語。
そして、いつか消えてしまう誰かの手を、それでも離さないための物語。