あらすじ
若くしてA級ヴィジランテへ昇格し、《翠嵐の妖精》の異名を持つセリナ・クロフォード。
美しく、強く、数々の危険な依頼を成功させてきた彼女は、誰もが憧れる存在だった。
――けれど、その実像は噂とはあまりにもかけ離れていた。
傷も治らぬまま危険な依頼へ向かい、帰れば酒を飲む。
どれだけ無茶をしても、強いから生きて帰ってきてしまう。
彼女は、少しずつ壊れていた。
十二歳で両親を失ったセリナに、剣と生き方を教えてくれた男、ガルド・オーウェン。
「敵を討つために強くなるというのなら、儂は教えん」
「誰かを守れるように強くなるというのなら、儂が教えてやる」
師匠と弟子。
家族のように過ごした日々。
そして、再び訪れる喪失。
強くなれば、もう誰も失わずに済むと思っていた。
けれど、本当に受け継ぐべきだったものは――強さだけではなかった。
これは、《翠嵐の妖精》と呼ばれた一人の少女が、
大切な人から託された言葉の意味を知り、
もう一度「誰かを守るために生きる」道を選ぶまでの物語。
『蒼穹のレグルス』外伝。
本編未読でも単独でお楽しみいただけます。