あらすじ
「どうして、魔法が使えるの?」
その疑問をきっかけに、異世界へ迷い込んだリリア・アステル。
辿り着いたのは、山と森と大河に囲まれた小さな村、リンドの谷だった。
魔法は存在する。けれど、それは親から子へ、師から弟子へと受け継がれる特別な知識。誰もが自由に学べるものではなかった。
リリアはまず、村で暮らすことから始めた。
水を汲み、薪を運び、畑を手伝い、帳簿を整理する。
そんな日々の中、大雨による増水から村を救ったことをきっかけに、リリアは少しずつ魔法を調べ始める。
そして、村の子供たちに魔法を教えるようになる。
農家の娘。
貴族の少年。
傭兵の息子。
エルフの旅人。
そして、突然現れた魔族の少年。
生まれも、身分も、種族も違う5人が、同じ教室で学び始めた。
小さな教室には、やがて研究者、職人、商人、旅人が集まり始める。
村は町へ。
町は学園都市へ。
そして100年後。
そこには、アルカディアという1つの国が生まれていた。
けれど、その国の始まりには誰も知らない秘密がある。
500年前に滅びた古代文明。
現代にも残る謎の古代文字。
世界の法則に干渉する「世界言語」。
そして、いつまでも年を取らないリリア。
なぜ彼女は、この世界に来たのか。
なぜ魔法は存在するのか。
これは、世界を救う英雄の物語ではない。
「知りたい」という小さな好奇心から始まった、1人の女性と教え子たちが、知識を受け継ぎながら100年をかけて国を築いていく物語。
――魔法を教えたら、国になった。