あらすじ
久世真琴は、後ろ手に縛られたまま、見知らぬ車の中で目を覚ました。「この女はまるで悪魔だ」――そう吐き捨てる誘拐犯。男は真琴のことを妹の仇だというのだ。
確かに真琴の中には、彼女自身も知らないもう一つの人格が眠っていた。目覚めれば、無数のゴキブリを意のままに操るという黒い虫の「女王」という人格だ。
軍が秘密裏に開発していた生物兵器。それは、女王蜂が働き蜂を統率するような女王性を人に宿して、無数のゴキブリを操るというものだった。
万人が忌み嫌うゴキブリの大群が人を襲う。そんな力を実験体として宿されてしまった真琴の口から出た言葉は「消えてしまいたい」という絶望だった。
だが、真琴を利用しようとする終末思想の教団、彼女を生み出した研究所の残党、そして事件の真相を握る黒幕たちが、それを許さない。
追っ手が迫り来る中、真琴は自分が何者なのか、その答えを求めて東京へと向かう。
女王と真琴。ふたつの人格を抱えた少女が選ぶのは、復讐か、それとも自由なのか。
真琴の力が黒い虫で空を真っ黒に染めて、視界はついにブラックアウトする。