あらすじ
音楽が消えて、二十年。
歌うことも、楽器を奏でることも禁じられた世界で、人々は「音楽は災いを呼ぶ」と教えられて生きていた。
十八歳の少年・シオンもまた、音楽を知らずに育った一人だった。
ある日、街を襲った奇妙な異変。
静寂に包まれた街の中で、シオンは淡い青白い光を放つ「音符」を目にする。
導かれるように向かった街外れの廃墟。
そこで彼が見つけたのは――月光を閉じ込めたような、白金色のアルトサックスだった。
音楽など知らないはずのシオン。
それでも、その楽器を手にした瞬間、不思議と指が動いた。
そして、初めて音を奏でたとき――
アルトサックスから無数の音符が生まれ、淡い青白い光を放ちながら夜空へ舞い上がった。
「お前が――最後の奏者だ」
二十年前、世界から消えた音楽。
それは、本当に消えたのか。
それとも――誰かによって封印されたのか。
失われた旋律を求め、少年はまだ見ぬ世界へ旅立つ。
やがて彼が知ることになる。
世界を救う最後の旋律と、自分自身に隠された真実を。
――これは、音楽を知らなかった少年が、世界にもう一度「音」を取り戻す物語。