あらすじ
裏東京。
表の東京と表裏一体であるその中心には、魔物が跳梁跋扈するダンジョンがある。
代々、ダンジョンから湧き出てくる魔物の駆除を担ってきた魔法使いの中の一人に出来損ないと呼ばれた者がいた。
名を佩月累威。
累威は持ち前の感受性で涙もろく、また固有魔法も役立たずなことから、軟弱物として見られることが多く、直接的に馬鹿にされることも少なくなかった。
そんな理由もあって累威に与えられた役目は前線で戦うでも、支援を行うでもない、魔物との戦いで犠牲になった者たちを回収する屍拾い。
言ってしまえば魔法使いでなくてもいい役割を与えられた累威は、それでも腐らずに真面目に職務を全うしていた。
そんな折り、累威はずっと不可解に思っていた自身の固有魔法の正体を知る。
倒した魔物から発生する涙石を食うことで能力を獲得する魔法。
自身の真価を知った累威は魔物の魂から成る涙石を幾つも喰らい、獲得した能力でただ一振りの刀を強化し続ける。
ひとえに固有魔法が望み、自分よりも遙か先に進んだ人たちに追い付き、追い越すために。