あらすじ
【毎日17時更新】
一条舞は、社内一モテる完璧な女性だ。
仕事ができて、気配りもできて、誰に頼まれても笑顔で応える。同期の高瀬圭吾にとっても、彼女は優秀だが少し遠い存在だった。
四月。残業帰りの二人を乗せたエレベーターが、突然停止する。
救出を待つ狭い箱の中で、舞はついに完璧な笑顔を崩した。
「ちょっとだけって言う人の頼み事、一度も少しで終わったことないから」
頼み事への不満、同僚への鋭すぎる観察、食べ物への細かいこだわり。圭吾が知ったのは、誰にでも優しい一条舞とは正反対の、口が悪くて面倒くさい本当の彼女だった。
それでも圭吾は、誰にも話さず、態度も変えない。
「会社で笑ってる一条より、今の方が話しやすい」
その日から舞は、圭吾の前でだけ性格が悪くなる。
昼食の候補は片っ端から却下する。仕事の企画書は容赦なく酷評する。笑顔で頼み事を引き受けた直後、二人きりになると毒を吐く。
けれど圭吾は、そんな彼女と過ごす時間を少しずつ心地よく感じ始めて――。
嫌だと言えない八方美人と、いてほしいと言えない効率主義者。
雪解けから次の春まで、季節とともに距離を縮めていく社会人ラブコメ。