あらすじ
私は、可哀想な蝶々を助けてあげたかった。
幼い頃、蟻に襲われていた蝶々を助けるため、群がる蟻を全部潰した。
それが、私が初めて暴力を振るった日だった。
それから私は、友達をいじめる男の子を突き飛ばし、友達を揶揄う男子を殴った。
だって、私は悪い虫を退治しているだけだから。
けれど、誰も私を褒めてくれなかった。
先生は怒り、ママは泣き、友達は私から離れていった。
だから私は、周りの女の子たちを真似することにした。
誰かが泣いていても、見て見ぬふりをする。
可哀想だと思っても、関わらない。
それが、『普通』なのだと思っていた。
――あの日、女子トイレから悲鳴が聞こえるまでは。