あらすじ
本書は、各地で確認された魔物について、その姿や生息地、食性、狩りの方法、繁殖、毒性、他の生物との関係、そして人間が遭遇した際にどのような被害が起こるのかを、冒険者の証言や討伐現場の調査、飼育下での観察、過去に残された被害記録などをもとにまとめた生態資料である。
魔物にはそれぞれ異なる生き方があり、獲物を追い回して捕らえるものもいれば、姿を隠して近づくのを待つもの、毒や体液によって動きを奪うもの、集団で獲物を解体するもの、他の生物の体を利用して子を育てるものなど、その方法は種によって大きく異なっている。
それらの行動の多くは、人間を苦しめることそのものを目的としているわけではなく、魔物にとっては食べることや身を守ること、子孫を残すことといった生存のための行動にすぎず、人間はその生態の中へ入り込んでしまった結果として捕食され、毒に侵され、巣や餌、あるいは繁殖のために利用される。
本記録では1話につき1種の魔物を取り上げ、外見や生息環境だけでなく、獲物の仕留め方や食べ方、繁殖方法、他種との争い、人間が襲われた際に確認された症状や死亡例などについても、判明している範囲で記載していく。
なお、魔物の生態には現在も分かっていない点が多く、同じ種であっても生息地や成長段階によって行動が異なる場合があるため、本書に記された内容がすべての個体に当てはまるとは限らない。
記録に存在しない行動を確認した場合は、既知の生態から外れた個体である可能性を考え、決して本書の記述だけを理由に安全だと判断しないこと。