あらすじ
「一つだけ、言わせてくれ。あのキスは、君のことが、好きだからしたんだ。その気持ちだけは、本当だ。」
そう優しく囁いたかと思えば、「舌を出せ」と強引に唇を奪ってくる。
――って、なんでこんな溺愛されちゃってんの!?
継母に実家を乗っ取られた上に、追い出され、行き場を失った伯爵令嬢のエマ。
自慢の会計スキルでパン屋の売り子として細々と生きていくはずだったのに、常連客の無愛想な軍人を庇ったせいで『身体が宙に浮いてしまう呪い』を浴びてしまった!
空中を彷徨った末に、落ちたら落下死するという絶体絶命の死の呪い。
そんな私を「重し」と称して捕らえ、強引に城へ連れ込んだ男の正体は、泣く子も黙る元・特務部隊の『死神』にして、この地を治める辺境伯・ロビンだった。
「呪いが解けるまで、俺の婚約者になれ」
そんなの絶対、偽装婚約の文字通りの「お飾り」だと思っていたのに――。
「俺以外の男と話すな」
「どこに行くの? 俺も行く」
――待って、冷酷な死神様はどこへ行ったの!?
私の前では異常なほど過保護で嫉妬深い、『大型犬』みたいに甘々な態度で絶対に逃がしてくれない!
しかも、元陸軍大尉のロビンに激重に執着されているところに、海軍のスマートな少佐(かつての許嫁)まで現れて「私に君を口説く時間をくれないだろうか」とか言ってきて――って、モテ期なんて一言も聞いてませんけど!?
おまけに、父を死に追いやった継母たちの陰謀や領地の不正が次々と発覚し、事態はとんでもない大騒動へ!
でも、ただ守られるだけの追放令嬢なんてお断りだ。
「無駄遣いは領地財政の敵です! 辺境伯家の帳簿も、私の実家のお宝も、全部きっちり監査しますからね!」
空飛ぶ実務系ヒロインと、彼女を絶対に手放したくない激重辺境伯の、重力も常識もブッ飛ばすドタバタ&糖度120%の溺愛ラブコメディです。