あらすじ
アルヴェイン王国東部の小村ラーナ。十三歳の農民の少年スタンレーは、貧しいながらも父ゲオルグ、母アンナと穏やかに暮らしていた。ある日、森で狼に襲われた彼の前に不可解な文字が現れ、《無限成長》という未知の力が目覚める。経験するほど成長し、学ぶほど次の学びさえ速くなる力。しかし、その力を得た少年が最初に知ったのは、自分の正しさが必ずしも他人を幸せにするとは限らないということだった。
善意から他人の畑を傷つけた失敗をきっかけに、スタンレーは人の話を聞き、知らないことを認め、誰か一人に頼らなくても続く仕組みを作ることを学んでいく。水路、農業、道、倉庫、教育――小さな村の改革は、やがて領地、王国、国家間の争い、そして世界そのものへと広がっていく。
圧倒的な力を持ちながら、最後まで問い続ける。
たとえ自分が正しくても、一人で世界の未来を決めてよいのか。
これは、世界を支配する王ではなく、世界を人々へ返す者となった少年の年代記。