あらすじ
世界から隔離された都市『ヤコミ(YCM)』で何でも屋をする『アマラ・ジョーンズ(Amara Jones)』には、SNSで知り合ったアニメ友達がいる。
よく歌い、よく愚痴り、アニメの話になると少し早口になる女。『ヒノワ・アキツ(Hinowa Akitsu)』
――ただし彼女は、この都市の女王だった。――
やがて一人は殺しのプロになり、一人は完璧な女王になっていく。
それでも二人をつないでいたのは、たった一つの「既読」だった。
この世界における「わかる」とは? 「共感」とは?
同じ言葉を聞いても、同じ意味が伝わるとは限らない。
同じものを見ても、同じ気持ちになるとは限らない。
文化、宗教、身分、国家、世論――エトセトラ。
人はあまりにも違っていて、本当の意味で他人を「わかる」ことなんてできないのかもしれない。
それでも言葉を送り、受け取り、また返す。
わからないまま隣にいることは、「共感」と呼べるのか。
これは、すべてを「わかろう」とした女王と、
最後まで「わからん」と言い続けた何でも屋の物語。
そして――
「伝わった。でも、わかったとは限らない。」